【字幕とテロップ翻訳のマスターガイド】プロセスxと品質向上のコツ
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海外進出を狙う企業が社内で映像コンテンツを制作する際、クリアすべき課題の一つが翻訳です。しかし、字幕・テロップの翻訳は、経験・ノウハウがなければ視聴者に映像のメッセージ・意図を伝えられません。
そこで今回は、多言語の映像コンテンツ制作を成功させるため、字幕・テロップ翻訳の基本からプロセス、品質向上のポイントを解説します。注意点も含めて解説しますので、「翻訳作業の全体像をつかみたい」「少しでもリスクヘッジしたい」といった企業・担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
基本さえ押さえておけば、社内でどこまで対応できるのか、どこから業者へ委託すべきか、判断できるでしょう。
字幕翻訳とテロップ翻訳の基本
字幕翻訳とテロップ翻訳、それぞれの定義や役割について解説します。字幕とテロップの定義は、使用する現場毎に曖昧になっていたりもします。ここでは代表例として説明します。
2つの翻訳スタイルの定義と違い
字幕翻訳・テロップの翻訳の違いを理解するためには、字幕とテロップの違いを理解することが重要です。
「字幕」は、その映像の中で話されている内容を文字にしたものです。一方で、「テロップ」とは画面上に現れる補足情報のことを言います。
<翻訳スタイル別の定義>
- 字幕翻訳:映像のセリフやナレーションなどの原音を残しつつ、画面上に訳文を表示するための翻訳
- テロップの翻訳:地名や建物、商品名などの説明や登場人物の役職や人名など、画面上に表示するための翻訳
上記のとおり、各スタイルは翻訳の対象が異なります。
映像コンテンツにおける役割と重要性
字幕・テロップ翻訳を活用することで、視聴者は映像・作品への理解度が深まります。たとえばドラマの場合で、登場人物の会話のみ翻訳し、画面上に表示されるその他のテキスト(メールの本文や看板など)が原文のままとしましょう。
この場合、ストーリーの流れや世界観は理解できるものの、「登場人物が何を読んでいるのか」「なぜびっくりしたのか」など、細かいニュアンスまで把握するのは難しいかもしれません。音声+補足情報を翻訳することで、視聴者の理解を深められ、映像・作品の意図やメッセージを伝えやすくなります。
字幕とテロップ翻訳における品質向上のコツ
字幕・テロップ翻訳の品質を向上させるコツについて解説します。
表示時間と文章のバランス調整
映像はシーンごとに表示時間の制限があるため、翻訳の際はテキストの表示時間と訳文のボリューム(文字数)を調整する必要があります。具体的には次のとおりです。
<表示時間と訳文のボリューム(文字数)>
- 日本語表記:4文字/秒
- 英語表記:10アルファベット/秒
上記の文字数・時間を守ることで、映像内の訳文が読み取り易いほか、視聴者も意味を理解しやすくなります。字幕・テロップ翻訳では、可能な限り文章を短くしつつも、意味の伝わる訳文に調整することが大切です。
ローカライゼーション
国によって文化・風習は異なるほか、日本の場合は和製英語もあるため、国に合わせた字幕・テロップ翻訳を意識しましょう。たとえば、ホットケーキやアルバイトは英語のような印象ですが、ネイティブの方には通じません。
固有名詞も補足説明を入れつつ翻訳しなければ、意味を理解してもらえないでしょう。スラングなどにも気を付けつつ、海外向けにローカライゼーションする必要があります。
品質向上に向けたレビューと修正
仕上がった訳文は、レビュー・修正によりブラッシュアップを行い、品質を向上させる必要があります。具体的には以下のポイントを押さえてレビュー・修正を行いましょう。
<レビュー・修正のポイント>
- 何を伝えたいのか、メッセージの意図を汲み取り情報を取捨選択する
- 修正したことにより1文が長くならないよう注意する
- 非言語メッセージでの補完を意識する
レビューの際は、映像で何を伝えようとしているのか理解して、一文が長くならないよう注意しつつ修正しなければなりません。「一言でどう表現できるか?」を意識して、視聴者が理解しやすい長さに修正しましょう。
また、訳文を短く修正できないときは、映像から得られる情報(非言語メッセージ)で補完します。映像には、音声以外にもキャラクターの動きや情景、効果音など多種多様な情報があります。字幕・テロップが長くなる場合、こうした情報で補完することにより一文を短く修正できます。
字幕・テロップ翻訳の注意点
字幕・テロップ翻訳は、翻訳スキルのみで完結する作業ではありません。たとえば、以下のスキルが求められます。
<字幕・テロップ翻訳に必要なスキル>
- 多言語に対応した翻訳スキル
- 映像の企画や撮影、編集などの技術
- 海外向けのローカライズスキル
翻訳は、日本語→英語のみではありません。コンテンツのグローバル展開を視野に入れる場合、他言語への翻訳も求められるでしょう。
また、映像内すべてのシーンを使用できるとも限りません。国の歴史・文化的背景によっては、カットせざるを得ないシーンも出てきます。訳文においても、調整すべき表現があるため、映像の企画・編集やローカライズスキルも必要です。
これらすべてを社内で対応できない場合は、翻訳サービスの利用も検討しましょう。翻訳サービスであれば映像の編集やナレーション翻訳なども含めて対応してもらえる業者もあります。
まとめ
字幕翻訳はキャラクターの会話、テロップ翻訳は画面上に表示される文字、それぞれ翻訳の対象が異なります。映像コンテンツにおいては、概要やストーリー、世界観などを海外の視聴者に理解してもらう重要な役割があります。
注意点として、字幕・テロップ翻訳は原稿を翻訳するだけでは不十分です。海外の歴史や文化的背景なども考慮しつつ、現地の言葉で通じるよう調整しなければなりません。これらを社内で対応できない場合は、翻訳サービス会社の利用も検討しましょう。
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